新型コロナウイルスの定義や条件

今日は新型コロナウイルスの「軽症」とはどういう定義なのかをお話します。

テレビなどで「新型コロナウイルスは軽症の人がほとんど」と言われていますが、この動画をみることで、どのくらいの重さまで軽症とみなされているかが分かります。

思った以上に、重い症状でも軽症とみなされることもあります。
ぜひ最後までご覧くださいね。

それでは、早速はじめていきます。

【参考】
厚生労働省新型コロナウイルス感染症 対策推進本部 事務連絡 令和2年4月2日 「新型コロナウイルス感染症の軽症者等の宿泊療養マニュアル」
厚生労働省新型コロナウイルス感染症 対策推進本部 事務連絡 令和2年4月2日 新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養及び自宅療養の対象並びに自治体における対応に向けた準備について

動画でみるにはこちら

1.軽症とはどういう状況なのか

一言でいうと、その答えは、『入院の必要がない状況』ということです。
つまり、日本では新型コロナウイルスの8割は軽症と言われていますが、=新型コロナウイルスの8割は入院の必要がないということです。
つまり、入院が必要なのかそうでないのかが、大きな線引きになります。

だれがそれを判断するのでしょうか?入院の必要性を判断するのは医師です。
では、何をもって入院の必要性を判断するのでしょうか。

入院要否のポイント

入院の要否のポイントとなるのは、酸素吸入器や人工呼吸器などの医療機器が必要かどうかということです。

つまり、自分の力だけでは、酸素濃度を保てない状況であれば入院が必要と判断されます。反対にいうと、自分の力で酸素濃度を保つことができれば、入院は必要はないとみなされます。

コロナウイルスは8割が軽症と診断される大きな理由がここにあるんですね。

軽症にも色々ある

とはいえ、入院が必要でない状況にもいろいろとあるわけです。例えば、ちょっと喉が痛い程度の、ほとんど症状が出ていない人も軽症です。

一方、39℃台の高熱が出て、頭痛もするし、だるくてしょうがない人でも、自分で酸素を十分に取りこめている状態であれば、入院は必要ないので「軽症」と分類されるんです。

「そんなっ!」と思うかも知れませんが、思い出してください。
例えば、季節性のインフルエンザなどで、39℃台の高熱が出て、頭痛もするし、だるくてしょうがなくてもお家で療養になりますよね。それと同じということです。

纏めると、軽症とは一言でいうと『入院が必要でない状況』です。そして、軽症と言っても、その状況には差があります。

2.COVID-19感染者の『軽症』の人に対する対応

少し前まで、少なくとも3月までは軽症であろうとなかろうと、(つまり、入院が必要であろうとなかろうと)PCR検査で陽性となった感染者はみんな入院療養となっていました。

しかし、現在はそうではなく、全ての感染者が入院ではありません。
日に日に感染者が増え、病院のベッドやマンパワーの確保が困難となる、いわゆる医療崩壊が懸念されているからです。

重症な感染者を受け入れる体制を確保するために全ての感染者が入院とはならなくなったんです。

そこで、4月2日に、厚生労働省から「新型コロナウイルス感染症の軽症者等の宿泊療養マニュアル」の事務連絡がだされました。
入院が必要でない場合、軽症者はこのマニュアルに沿って療養します。

感染者の状況や、医療機関の状況で今後も変更があるかも知れません。ただ4月21日の時点では、無症状や軽症の感染者は、必ずしも入院勧告の対象となりません。

  • 都道府県が用意したホテルなどの宿泊施設での宿泊療養
  • 環境や状況が整っていれば、自宅での療養

となります。

まとめると、COVID-19感染者の『軽症』の人に対する現在の対応は、無症状や軽症の感染者は必ずしも入院にはならず、宿泊療養か自宅での療養を行えるということです。

では、次に、宿泊療養・自宅療養・入院の対象者についてお話しします。

3.宿泊療養・自宅療養・入院の対象者が分かる

宿泊療養

まず、どのような人が宿泊療養になるかというと、宿泊療養の対象者は次のような方です。

  • 無症状あるいは、軽症の感染者
  • 感染防止のための留意点を守って生活できる
  • 医師による、入院が必要な状態ではないとの判断がある

この入院の要否判断は、臨床症状や検査所見から医師が総合的に判断します。

自宅療養

自宅療養の対象者は、宿泊療養対象者の条件に次のようなポイントが追加されます。

  • 適切に健康管理・感染管理を行うことができる
  • 高齢者等リスクの高い人や医療従事者等と同居の場合、生活空間を分けることができる

※近くに親戚がいるなど、リスクの高い人を一時的に預ける場所がある場合は、そちらも考慮しなければなりません。

また、大切な点ですが、同居する家族については基本的にはみんな濃厚接触者に当たる
ので、家族の理解も不可欠です。

入院

軽症でも、全ての人が宿泊施設や自宅で療養できるわけではありません。
軽症でも原則、次のような方は入院になります。

  • 高齢者
  • 基礎疾患がある人(糖尿病、心疾患又は呼吸器疾患を有する者、透析加療中の者等)
  • 免疫抑制状態である人(免疫抑制剤や抗がん剤を用いている者)
  • 妊娠している人

このような方は、今軽症でも重症化するリスクが高いと考えられているので、何か合った時に直ぐに医療処置がとれるように原則は入院療養です。

以上が、宿泊療養・自宅療養・入院の対象者です。
もしも、ご自身やご家族が、COVID-19に感染したときには、宿泊療養となるのか、自宅療養となるのか、入院となるのかの参考にしていただけたらと思います。

まとめ

それでは最後におさらいです。

軽症とは

一言でいうと『入院が必要でない状況』です。そして、軽症と言っても、その状況には差があります。
COVID-19感染者の『軽症』の人に対する対応は、無症状や軽症の感染者は必ずしも入院にはならず、宿泊療養か自宅での療養を行えます。

宿泊療養

①無症状あるいは、軽症の感染者
②感染防止のための留意点を守って生活できる
③医師による、入院が必要な状態ではないとの判断がある

自宅療養

宿泊療養の条件に加え
①適切に健康管理・感染管理を行うことができる
②高齢者等リスクの高い人や医療従事者等と同居の場合、
同居家族等と生活空間を分けることができる
ことが条件です。

入院

①高齢者
②基礎疾患がある人(糖尿病、心疾患又は呼吸器疾患を有する者、透析加
療中の者等)
③免疫抑制状態である人(免疫抑制剤や抗がん剤を用いている者)
④妊娠している人
です。